2007年10月
数年前からダウンタウン・ミネアポリスはニューヨーク、サンフランシスコに次いで市街地の居住者が多いと言われています。私も含め(私は賃貸ですが)友人の多くが新しく『ロフト』と呼ばれるスタイルに改築された倉庫街のビルのコンドミニアムを購入して住んでいます。独身者や若者層だけではなく、子供が自立した後の「エンプティ・ネスター(空っぽの巣に住む親)」たちが郊外の家を売却し、市街に移り住むケースも増えているそうです。
こうしたコンドミニアムのモデルルームを見学するツアーが年に何度か将来の顧客を当て込んで行なわれるのです。現在探している人、将来的に考えている人、どんなものか見てみたい人が、10ドルくらいのチケットを購入してツアーに参加している物件を見学して歩く訳ですね。
だいたい、天井が高くてオープンキッチンにはステンレススティールの電化製品が揃っていて、ファンキーな造りになっています。コンドによっては、ホテル並みにプールやスポーツジム、スパなど完備しているところもあって、豪華です。
滞在者の人にも興味深いと思います。ダウンタウンに住むってどんな感じなのかな~と見てみるみたいな。もし尋ねられたら「近々日本から仕事で赴任する予定」とか、「建築の勉強をしている」とか答えれば言い訳ですし。別にその場で買えと迫られることはないので、気軽に一度こういうツアーに参加してみてはいかがでしょうか。
www.loftlivingtour.com
www.citylifetour.com
河沿いは10月中旬が紅葉のピークと言われています。「ウィノナに行く」と言うと皆「いいなぁ、最高の季節だよ」とうらやましがります。ハイウェイ61は紅葉巡りのドライブに最適の景観道路として有名なのです。今年は気候の変調のせいで紅葉にも少し鮮やかさが欠けるとはいえ、やはりオレンジやゴールドに赤がところどころ混じる様子はなかなかです。また、この辺りは国鳥である白頭鷲が多く見られ、運転中もこずえに「あ、とまってる!」とすぐ見つけられるほど。
さて、このウィノナ、冗談じゃなく女優のウィノナ・ライダーが生まれた町としても知られています。その他にはカヌーの専門家に知られている「ウィノナ・カヌー」というメーカーがあります。手作りのステンドグラスでは有名で全米一とも言われているそうです。(知らなかった。)
ここはミシシッピリバークルーズ旅行の寄港地として昔から、ニュ-オリンズやセントルイスを行き来する客船が立ち寄りました。今もマジェスティック・アメリカラインというクルーズ会社の外輪船が寄港します。5日から7日のゆっくりしたリバークルーズです。河に面してアムトラックのエンパイヤビルダーの路線も通っています。
150年前からリバータウンとして栄えた町は、今ものんびりミシシッピ河に寄り添っています。今夏は異常な大雨のせいで洪水の被害にあっていますが、それでも河とともに日々を送る町は、あくまでもおおらかに見えるのでした。
セントメアリー大学のコンサートホールで行なわれた太鼓グループの演奏は、既成の和太鼓の殻を破る若いエネルギーとスター性にあふれていました。5人組の若い青年グループは宮城県を中心に活躍する和太鼓集団の一員です。三味線と和太鼓が創作音楽をダイナミックに演奏し、グループもジャニーズのよう。また、ミネソタに来て欲しいものです。
夕方ミネアポリスに戻る途中、これも河畔の町、レークシティという「アメリカ最初にウォタースキーが開発された」町に立ち寄り、ディナーを楽しみました。セーリングボートがもやってある港のそばにあるアメリカン・ニューキュイジーヌ・レストラン「NOSH(ノッシュ)」。大きな町ではないところほど、隠れた良いレストランがあるものですが、ここもその一つ。サービスも食事もどこの大都市より満足感のあるものでした。ワインのリストも悪くなく、また、ゆったりとした親切な感じがリラックスできるムードを作り出していて、食事もアメリカ風の「大盛り!」という感じではなく、程よい盛りつけなので、コースでいろいろ試す事ができました。ミシシッピ河畔のドライブをするなら、こうした小さな町々に立ち寄ってみて下さい。
www.visitwinona.com
www.NOSHrestaurant.com
1800年代後半になると徐々に材木、穀物産業によって活性化した街は、多くの移民が居住し、活気があふれてきます。そして活気が出てくると商店やバーがオープンする訳ですね。
前置きが長いですね、すみません。ようはそんな頃からある地ビール「グルックス」とそのバーの話です。ダウンタウンの6thストリートとファーストアベニューの角っこに近い場所に歴史を感じさせる石造りの小さなビルが建っています。ファーストアベニューに面した壁面になぜかヨーロッパ風の壁画が描かれているのですが、このビルが「グルックス」という100年近く営業するバーなのです。そしてこれは1800年代頃から市内で製造されてきた「グルックス」という銘柄のビールの名前でもあります。昔の内装の写真と今を比べてみてもそうたいして変化していません。このバーカウンターでミシシッピ河畔で働く労働者や穀物市場で取引をする男たちが
ビールをぐいぐいやっていたことでしょう。そんな名残が建物からも感じられます。
今はNBAの試合が行なわれるターゲットセンターに近いせいもあって、ゲーム前の観客でにぎわい、またライブ音楽もあるせいかいつもカジュアルな集まりに人気があります。毎週木曜日のフーカーズ&ブロウというバンドは80年代のヒットソングのカバーバンドで人気があります。
アメリカは歴史の浅い国ではありますが、一から建国を行なってきたという誇りから彼らの100年や150年、200年という歴史をとても大切にしているように思えます。細々と続く地ビールの人気が衰える事がないのも、そういうことの表れなのかも知れません。
厳寒の寒冷地帯でワイナリーというのは、非常に私としても自信がないところではありますが、最近ミネソタ州ではミネソタ大学の研究者と協力し合って、より良い葡萄の種類、より良い味を目指して頑張っているのです。その成果もあって、ミシシッピリバーの丘陵地帯を中心に近郊やミネソタ州南部に「スリーリバー・ワイントレール」というワイナリー巡りのコースが出来ました。ミシシッピ河とその支流の河畔の町、スティルウォーター、ヘイスティング、レッドウィング、レークシティなどを繋いで、ワイントレールをプロモーションしています。
ワイナリーツアーは勿論、現在ではこうした地元のワインがミネアポリスやセントポール、州内のレストラン、酒屋さんで扱われています。お味の程はというと、「悪くないですよ」という感じですね。例えば、セントクロイ・ヴィニヤードのデザートワイン、リースリングは食後になかなかですし、白ワインには結構すっきりとした味のものがあります。
30年近く試行錯誤しながら頑張っているワイナリーもあり、ぜひこれからこういったトレールが定着していって欲しいと思います。ミネソタに来たら、たまには
地元産のワインを試してみて欲しいですね。有名じゃありませんけども。
www.threeriverswinetrail.com
ガスリー劇場の良い所としてコラムニストが上げていることの一つに「いつでも遅くまでカクテルを楽しめる」ということ。USしゅんさんがお越しになった時も、「このシアターには11ケ所もバーがあるんですよ~」と説明したんですけど、とにかく本格的なバー&ラウンジがあって、以前にもちらっと言いましたけど、観劇する人だけじゃなく、一般の人にも利用できるのです。コラムニストも「インターミッションの後、後半の芝居をスキップしたいと思っちゃうほどだ」と褒めております。(それじゃ、シアターも困るんですけどね。)
アメリカでのインターミッションは昔映画で観て憧れたように、ワインやコーヒー、デザートなんぞが楽しめて、ちょっとお洒落な感じですが、勿論場所によっては簡素なカウンターだけ、みたいなところもあるので、ガスリー劇場のようにバーが館内に11ケ所も設置されていて、ところによっては雰囲気の良いラウンジや、バースツールの席が並んでいるというような本格的なものは、結構珍しいかも知れません。ショーが始まる前、インターミッションに人々がワインやその他カクテルを楽しんでいるのを眺めるのも楽しいですが、ただ単に友達と立ち寄って「一杯やる」ということも出来るのがいいですね。
新聞のコラムニストも「ロマンチックなデートにもいいぞ」と薦めています。そしてモダンデザイン建築の内装や、ミシシッピ河畔に面した周囲の眺めもいいので、そこらのバーへ行くよりお洒落度が高いと、私はかなりお勧めしております。
ジョージア・オキーフといえば、そのきりっとした風貌とシンプルでスタイルのあるファッションや後期のニューメキシコでの暮らしなどが、過去女性誌などにも紹介され、ちょっと大人の女性には人気があるようです。またフリーダ・カーロはその劇的で情熱的な生涯がアート系の映画になったり、その作品の強い印象から、一つのポップアートファッションのアイコン的な扱いも受けています。
この二人に共通しているのはその鮮明な色彩感覚と、個性ある生き方、強い自我を持った女性としてのドラマだと思います。20世紀を通じて、彼女たちほど独自性ある絵画を世に知らしめたアーティストはいないように思えます。ジョージア・オキーフはジョージア・オキーフ的なものを他に観る事はないし、フリーダ・カーロ作品は最早フリーダ・カーロだけの世界で、他の誰にも同様のスタイルが観られないとすら思えるのです。
独自性を確立し、他にない個性を持った彼女たちはともに、生涯を通じて一人の男性からアーティストとして女性として多大な影響を受け、また生身の女性として
その関係に運命を左右されました。オキーフは写真家としても高名であったスティーグリッツと、フリーダ・カーロは著名画家のディエゴ・リベラとのドラマが
有名です。そんな様々なバックグラウンドを考えながら彼女たちの作品を観て行くと、更に深い感慨を覚えるだろうなと、個人的にはとても嬉しい展覧会なのです。
特に今年はフリーダ・カーロ生誕100周年、そしてオキーフはお隣ウィスコンシン州サンプレーリーという町に生まれ育ったということもあって、何か特別なイベントであると思えてきます。
季節的にも秋から冬というのが、アート鑑賞には似合うんじゃないでしょうか。
ジョージア・オキーフ展はミネアポリス美術館で来年1月6日まで、フリーダ・カーロ展はウォーカーアート・センターにて来年1月20日までです。
www.artsmia.org
www.walkerart.org
ガスリー劇場は移築前から、円形に舞台を囲む観客席がインターアクティブな効果を生み出す優れた劇場としてトニー賞なども受賞している全米でも「老舗」の一つです。現在のミシシッピ河畔のモダン建築になって3ケ所の舞台を持つ複数上演の可能なシアターコンプレックスになりましたが、伝統の舞台は継続しています。舞台を取り囲んで上方へ広がるように客席が並ぶワートル・トラスト・シアターはどこに座っても舞台がきちんと見えるという劇場です。また、どこに着席しても非常に芝居が自分に近く感じられるようになっています。
ガスリー劇場で上演される演劇はシェイクスピアをはじめ文芸物が多いので、英語に自信がないとちょっと「しんどい」のですが、久しぶりに子供の頃から本で親しんでいた「ジェーン・エア」を観に行きました。ストーリーをだいたい知っていると全部の台詞が完璧に分からなくても何とかなるものです。
面白かったのは舞台設定。背景もほとんどない舞台に家具と役者だけが、シーンごとにせり上がったり引っ込んだりすることで、状況を変化させていきます。古典的な台詞劇を、斬新な舞台演出で観せる、これもガスリー劇場の特徴です。
このトラスト・シアターで上演される毎年恒例のディケンズ作「クリスマス・キャロル」はホリデー・シーズンにかかせないイベントになっていますが、この観客が舞台にとても近いと感じる雰囲気が相乗効果になって、楽しいショーの一つです。
新しくなったガスリー劇場のお楽しみ、それは11ケ所もあるというインターミッションにかかせない「バー」です。特にミシシッピ河に突き出るように設計された「エンドレス・ブリッジ」にあるバー・カウンターとラウンジエリアは、なかなかです。お勧めしたいのは観劇の始まる前にここを訪れ、カクテル片手にさざめく人々に混じってみることですね。別に観劇はしなくてもいいんです。その後、シアター内に人々が飲み込まれていった後、静まりかえったロビーのラウンジでゆっくり一杯。ぜひお試し下さい。
「ライオン・キング」、ディズニーの大ヒット・ミュージカルとしてロングランを続けていますが、10年前、動物アニメをミュージカル化するという大掛かりな舞台は、そのワールドプレミアをミネアポリスで行なったことは意外に知られていません。私は運良く市内のヒストリック・オーフォウム劇場での舞台裏を観る機会を得、コンピューターで操作される景観や背景、演出のパペット芝居で世界に知られるジュディ・テーモアの発案デザインによる、アクターとパペット操作の野生動物を合わせた素晴らしいコステュームでリハーサルが行なわれる様子などを見学しました。
初日の日、幕が上がると同時にミネアポリスの観客はそのユニ-クで夢一杯の舞台に魅了されたのでした。当時の客席の興奮は今も忘れられません。ニューヨークでもなく、ロンドンでもなく、ミネアポリスで幕が上がった「ライオン・キング」。私にとっては特別に思い入れのあるミュージカルとなりました。
その後もジュディ・アンドリュース主演の「ビクター・ビクトリア」などがミネアポリスをプレミア地の一つにしていますが、これはミネアポリスというのが丁度北米の中心に位置し、文化水準の高さ、パフォーマンスアートへの関心とサポートの高さ、保守的過ぎずファンキー過ぎない観客層などから、こうしたプレミアなどに利用されるということです。
「ライオン・キング」がプレミアオープンから10周年を記念して、またミネアポリスで公演することになりました。もうすでに3度も観ているのですが、またもう一度観に行こうかと考えています。あれほどの感動は最早ないとは思いますが、
シアター文化の活発なミネアポリスを誇る気持で一杯になるはずです。
www.hennepintheatredistorict.org
アウトフィッターと呼ばれるガイドが、カヌー旅行、キャンピング、フィッシング、そしてミネソタ州で盛んな犬ぞりによる旅行などを提供していて、ここに行けば様々なアウトドアの醍醐味を味わうことができます。
北端ということもあって雪や氷におおわれるイーリーでは人々は冬にも活動的です。そのためか、防寒に優れ、冬のお洒落に合ったグッズをイーリーから世界に発信しているオリジナルショップがあるのです。
私がいつもカタログを取り寄せるのは2つのショップ。一つは 「Steger Mukluks & Moccasins」。(www.mukluks.com)イーリーのメインストリートにお店を構えるこのフットウェアを中心にしたショップのオリジナル・ウィンター・ブーツは有名です。ブーツによっては本格的な冬季探検隊などにも使用され、バージンアトランティックのリチャード・ブランソン卿のグループにも愛用されています。ベイシックなデザインはキャンバストップと皮で編み上げもお洒落な、ちょっとほのぼのするデザインです。見るからに雪に似合いそうな感じ。全体的にネイティブ・アメリカンやイヌイットの人たちのファッションをイメージさせます。若い女性にはミニスカートやニーレングスのジーンズなどとコーディネートして欲しいブーツです。
もう一軒はアウトフィッターを営み、犬ぞりツアーでも有名な「Winter Green」
(www.wintergreennorthernwear.com)。フリースや防寒用の下着等を中心にした衣料品のデザインショップですが、北欧風のテーピングアクセントやカラーコーディネーションが楽しいカジュアルなジャケット、プルオーバーなどはジーンズによく合います。アルタネイティブ派でスノボー・ファッションの好きな男性には、クライマーパンツとフリースインラインのボーダーカントリー・ジャケットを派手なTシャツなどと合わせた着こなしをお勧めします。
こういったショップのカタログからは彼らの製品を作り出すイーリーという町の雰囲気が伝わってくる気がします。デザインはちょっとあか抜けないけれど写真も雪や北極越冬隊みたいなものから、可愛いハスキーやマラミュート犬、森林やカヌーといった自然と和み、向きい合うものが多様されていて、何か真摯な印象です。双方ともに、地球温暖化対策を唱え支持する環境保護的な姿勢をショップ全体で表現しているのも、アウトドアライフを大切にしているイーリーのオリジナルらしさが感じられます。
スポーツコートというのもあまり見かけません。冬になると即コートやジャケットをはおってしまうからでしょうか。とにかくミネソタではまず「快適で、肩が凝らないこと」というのがファッションのテーマのようです。
それでも、どのデパートに行ってもスーツのコーナーはきちんとある訳です。若い人たちはそれなりにお洒落にも凝っているようですが、一般的なビジネスマンは国が違ってもだいたい皆「定番志向」になるようですね。ストライプや落ち着いたカラーのシャツに、カーキのパンツやグレー、黒のスラックス。取りあえず、可もなく不可もなく~というファッションな訳です。ところがこれは、今日本でも増加している「カジュアル・フライデー」や中高年男性の着崩しに合う格好です。
衣服と靴にはタックスがかからないミネソタ州なので、それこそ男性諸氏にも大いにダウンタウン・ショッピングをお勧めしてしまいます。特にスーツの場合、ニコレットモール沿いにある「オフ・フィフス」という有名デパートのサックスフィフス・アベニューのアウトレット、頭からつま先まですべてコーディネートしてくれる「メンズウェアハウス」などで購入をお勧めします。値段にこだわらないという向きには「ニーマン・マーカス」の一階、「ヒューバート・ホワイト」という男性ファッションの専門店。後者にはイタリアン・デザインのスーツなども揃っています。高級ネクタイをバーゲンでというなら、ぜひ「オフ・フィフス」で。フェラガモ、フェンディ、ドルチェ・ガバーナ、ヒューゴ・ボスなどのタイが半額以下で手に入ります。
日常着のシャツやパンツをお得に手に入れるなら、ディスカウントストアの「マーシャルズ」や「ターゲット」。カーキのパンツ、スラックス、コーデュロイなどのパンツ、ドレスシャツが15ドルから30ドルの間で見つかります。
買物は好きじゃない、苦手という方々、特に日本人の中高年男性のマジョリティを占める買物嫌いには、一本のストリートに近在するショッピングポイントのあるミネアポリスでの「自分のための」ショッピングをお薦めしたいものです。

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