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2007年12月
浮世絵の宝庫 海外に出ると日本人である自分よりも日本のことに通じている人がいて、しばしば恥じ入るはめになります。先日日本に帰国中、東京渋谷の松濤美術館の案内に「Great Ukiyoe Masters ミネアポリス美術館秘蔵コレクションより」という展覧会開催中とあり、驚いたのでした。案内には、ミネアポリス美術館が「日本美術部門では全米屈指のコレクションを誇る」(知らなかった)「クオリティの高い作品を中心とした3000点以上の浮世絵コレクション」(知らなかった)「保存状態は目の肥えた浮世絵ファンにも驚きの」(知らなかった)などとあり、ますます驚きました。
 実はミネアポリス美術館の日本と韓国美術のキュレーターであるマシュー・ウエルチさんとは長年の知り合いで、時々お昼ご飯などを食べたりしていたのですが、こんなことは何も理解しておらず、「ごめんね。」と思わず恐縮してしまいました。松濤美術館の展示には250点が紹介されたとのこと。一度マシューの案内で美術館の裏側というか、展示品保管庫に案内してもらった時、日本でも今人気の伊藤若冲の「生」を見せてもらって感動したのですが、確かにミネアポリス美術館の日本ギャラリーには多くの浮世絵や日本画が展示されています。春信、豊国、北斎、広重など有名どころは網羅していますし、無名のものから市井の作品まで、コレクションは豊富なようです。(専門家ではないのでよく分からないのですが。)
 考えてみると、ミネアポリス美術館では年に数回日本美術の展覧会が行なわれています。今も漆などの作品が有名な柴田是真の作品展を開催中で、また来年からは
個人所蔵としては最大級の「ジョン・ウィーバー・コレクション展~アート・オブ・ジャパン」が開催される予定です。
 この機会にちょっと日本の浮世絵や日本画についてきちんと学んでみようかと思った次第です。
www.artsmia.com
投稿者 Husky15 22日 02:26 | コメント(0) | アート
ミス・リッチフィールドのクリスマス アメリカに住むようになって、生活の中に自然に(というのも妙な言い方だけど)定着したものがあるとしたら、GLBTという言葉です。「ゲイ&レズビアン&バイセクシャル、トランスジェンダー」。今やアメリカでは同性愛への非差別、同性愛の婚姻というのが大統領選挙の重要なディベートの一つになるほどです。ミネアポリスはまだ同性同士の正式な婚姻関係は認められていませんが、非常にリベラルな街であることは確かです。州都セントポールの以前の副市長は性転換をして女性になった方でしたし、ミネアポリスの市議会には同性愛であることをオープンにしている議員の方々がいます。
 そんなミネアポリスで一番有名なドラッグクィーン(女装した男性)は、ミス・リッチフィールドです。日本でもニューハーフなどと呼ばれるエンターテイナーの人たちがいますが、彼らはどちらかというと女性のように奇麗。ミス・リッチフィールドはとてつもない衣装とメーキャップで、女性とか男性とかいうものを超越していると、いつも感動してしまいます。
 私の友人が「彼女」のウェブサイトを手伝っているので、毎回ミス・リッチフィールドが行なうショーの案内が届きます。今年も恒例の彼女のクリスマスショーが行なわれました。ミス・リッチフィールドはリッチフィールドというミネアポリスの隣りにある郊外の出身でそこでミスコンに優勝したという設定になっています。ミネソタの小さな町の人々の習慣、生態をジョークにして、とんでもない衣装で女装したミス・リッチフィールドの一人舞台は、歌あり踊りあり、そして彼女の「やかましい声」と「がさがさしまくる」動きで、いつも大爆笑です。
 衣装や小道具も自前で、クリスマスツリーのようなドレス、大きなカツラ、キッチュなアクセサリーなど、とにかく観ているだけで笑える演出。
 こうした衣装の下には、肌色のタイツを重ねばきし、綿密にひげ剃り後を隠す化粧、ボディスーツを使って作る丸みのある体系など非常な努力がある訳です。ミネアポリスで機会があれば、ぜひこうしたドラッグショーを観て欲しいですね。パワフルで強烈なイメージには、長く同性愛や異質のものを実は封じようとする保守派への対抗と、それを笑い飛ばしながら生きるエネルギーを感じる時があります。
臨場感たっぷり、やっぱり冬はホッケー観戦 最低年に一回くらいは、NHLプロ・アイスホッケーかミネソタ大学ゴーファーズの試合を観戦に行きます。ミネソタのプロチームは「ワイルド」。その昔は「ノーススター」というチームが長らく人気だったのですが、売られていって、今ダラスのチームとなりました。(ノーススターってミネソタ州の愛称なんですけども。)
 ワイルドはまだ数年の新しいチームとはいえ、リーグでは結構頑張っていて、地元でも大人気。ホームゲームのチケットは毎回売り切れ寸前。アリーナはセントポールの市内に燦然と輝かしく建つエクセルエナジー・センターで、一歩足を踏み入れると歴代のジャージーや、大学、ハイスクールチームのジャージーなど色とりどりに天井近くに飾られ、わぁ~っという何やら歓声のような響きが反響しているようにいつも感じます。
 皆さんご存じないかも知れませんが、1980年の冬季オリンピックで若いアメリカチームを金メダルに導いたコーチはセントポールの出身、元ミネソタ大学のコーチでもあった人。またミネソタ州では高校のアイスホッケー・トーナメントは夏の甲子園高校野球のような熱の入りようなのです。
 アイスホッケーはやはり生で観るのが一番。醍醐味が違います。スケートのしゃ~っという切れるような音、スティックやパックが当たる激しい音、選手同士のものすごいスピードとパワーのぶつかり合いに圧倒されます。それと、喧嘩。他のスポーツにはない程頻繁に殴り合いが起きるのもホッケーですか。
 細かいルールもきちんと理解すれば面白さも倍増するのでしょうけれど、難しいことは抜きに選手たちの華麗でパワフルなすべりとプレーに魅入ってしまいます。カナダなどもそうですが、冬の長い土地にはこうしたスポーツ観戦を楽しむという暮らし方が似合いますね。
ホリデーライティング・ツアー 12月になると地元新聞の生活欄のようなところに必ず掲載されるのが、「どこのお宅のホリデーライティングのデコレーションがお勧め」という記事。きちんと個人宅の住所が出て、そして必ずリムジンやバス会社のスペシャルツアーなども紹介されます。毎年恒例。ツアーの数も増えました。
 以前郊外住宅の一軒家に住んでいた時は、うちでも多少のホリデーライティングやアウトドアデコレーションをしたものです。家の周辺の木々にツリーライティングをし、ドアにはリースをかけ、窓にも飾り付けをしました。一時流行って昨今では一般的になった屋根や窓に縦にかけるライティングのカーテンのようなデコレーション、うちでもやりました。
 とにかくご近所に数件はこの時とばかりにライティングをしまくるご家庭があるものです。屋根の上には灯りのともったサンタクロース。庭先には「ナティビティ」と呼ばれるキリスト生誕シーンの人形の灯り。雪だるまやレインディアなどもあります。家の壁中をライティングでおおう所もあります。
 そして、こうした家々が地元新聞に紹介され、首都圏どころか、州内全体から人々が見物にやってくるのです。センスが良くて本当に美しいと思うものもありますが、それよりも度肝を抜かれる派手さとバカバカしさが面白過ぎるというようなものも沢山あるので、まぁ、楽しいといえば楽しいのでしょうか。「何考えてんやろ」「ここの家族やったら、お父さんやめときぃなと言うやろな」とか思いつつ見物して回ります。
 数年前友人が企画して、豪華な10人乗りくらいのリムジンをレンタルし、シャンペンやデザート、温かい飲み物などを用意して、こうしたホリデーライティングツアーをしました。これは大人のイベントとしてはお勧めです。運転手兼ガイド付きなので、思う存分乾杯して見物できました。
 今年の新聞にもこうしたツアーを企画しているリムジン会社やツアーバス会社のリストが出ていました。2時間から4時間くらいのツアーです。最低やはり200ドルくらいはしますが、グループで割り勘にするとそう高くないので、お勧めです。平日は少しお得。また、ちょっと張り込んでロマンチックに二人だけというのもありますから、クリスマスギフトにいいかも知れません。私の友人はこれでホリデーツアーを見物しながら、ホットココアに浮かべた生クリームの上に婚約指輪を置いてプロポーズしました。う~ん出来過ぎだ。
投稿者 Husky15 12日 04:26 | コメント(0) | 観光
セントポール市役所の隠れた見所 仕事の関係で時々セントポールの市役所へ行く事があります。歴史のある建物で、アメリカの全国版の番組で紹介されるぐらい幽霊話でも有名な所でもあります。(昔は絞首刑が行なわれていたとか、留置場があった場所で自殺者があったとか、そういう話から、幽霊が出没するということです。)ビル自体はアールデコ調の影響が見られ、当時のビルに見られるふんだんに大理石や御影石などを自然石と重厚なウッドを用いた造りです。 ニューヨークの彫刻家によるレリーフなども美しく、1930年代のデザインの要素がそこここに見られます。建設された恐慌時代においては最も素晴らしい公共建築の一つと言われています。外壁の浮き彫りだけでなく内装でも郵便受け一つとっても当時のアールデコのデザインが印象的です。鈍いゴールドのエレベーターの扉にもアールデコの影響が見られます。こういうものを観察するだけでも楽しいものです。
 私はこの市役所を訪れる事を滞在者の皆さんにいつも薦めています。日本だと市役所なんて用のある時以外は立ち寄ろうなんて思いもしないものですが、こちらでは思わぬお楽しみがあったりするのです。
 セントポール市役所の正面玄関を抜けエレベーターのある奥へと入っていくと、メモリアルホールという戦没者を記念した吹き抜けに出ます。突然厳かな空間が現れ、驚くようなものが目に飛び込んでくるのです。
 「ヴィジョン・オブ・ピース」と呼ばれる巨大な彫像。11メートル近い高さと
54トン余の重さのメキシカン・オニキス。ネイティブ・アメリカンの酋長をかたどった石像を見上げる事になります。ここだけは忙しく行き交う人々に関係なく、荘厳な静けさに包まれ石像が光の中にたたずんでいるのに圧倒されてしまいます。
 1980年代に建物は全米歴史史跡建造物に指定されています。州都セントポールは歴史的な建物が多く残っています。州議事堂も100周年を迎えたばかり。来年はミネソタ州が合衆国の32番目の州となってから150年を迎えます。アメリカの歴史は確かにヨーロッパや他の国に比べ浅いのですが、新天地を求めた人々が一つ一つ築き上げてきたものの軌跡を見るのもよいものです。セントポールに来られたら、ぜひこの「平和へのビジョン」という石像をご覧下さい。
http://nrhp.mnhs.org/property_overview.cfm?propertyID=36
投稿者 Husky15 8日 00:43 | コメント(0) | アート
ドールハウスか原寸大ジオラマ~ピリオドルームのクリスマス・デコレーション 毎年恒例のミネアポリス美術館のホリデートラディション「ピリオドルームのホリデー・デコレーション」が感謝祭から1月の中旬まで開催されています。私がツアーに行った時は、中世のドレスを着たボランティアの人が解説をしてくれるもので、なかなか雰囲気がありました。
 ピリオドルームというのは、美術館の3階にあるギャラリーで、17世紀から20世紀初頭のヨーロッパとアメリカのそれぞれの時代の家の様子をコレクションのインテリアで再現したものです。この各部屋がホリデーシーズンになるとその時代時代、その文化によるクリスマスのデコレーションがされて公開されるのです。
 時代や文化背景の違いで、少しずつ異なった雰囲気が見られます。地味~な飾り付けの部屋もあったり、宗教色が強いものがあったり、いろいろです。原寸大ジオラマなのですが、日本だったらきっとマネキンで人も交えていたろうな~と思います。でもピリオドルームは、あくまでも主役は家具や調度品、建築デザインなので、人物は含まれていません。その代わりにというか、ボランティアで昔の格好をしたガイドさんが色を添えています。(注:ツアーのスケジュールは美術館に問い合わせましょう。)人のいない部屋を見学するせいか、何か舞台に役者さんが登場する前といった感じで、いつもなぜか厳かというか静かに観なければいけないような気がします。
 12月中にはホリデーミュージックのライブ演奏(スケジュール要チェック)もあって雰囲気がよいミネアポリス美術館です。
www.artsmia.org
ライトアップ・パレード 冷えこんでおります、ミネアポリス。今週からぐんと気温が下がり、表に出るとすぐに鼻水がたれるような寒さです。まだそれが凍り付くとまではいっていませんが。
 仕事帰りにビルとビルを繋ぐガラス張りの高架遊歩道「スカイウェイ」を通ると、ニコレットモールにかかるスカイウェイがどこも子供や人で一杯。あ~そうだ、これから週末にかけて、「ホリダズル・パレード」かと納得。感謝祭開けからクリスマスイブまで毎週木曜日から日曜日まで、ニコレットモールをライトアップした山車やお伽噺のキャラクターたちがパレードするのです。恒例のイベントで人気があります。こうして寒さが厳しい日には、パレードを観る事の出来るスカイウェイや通りのレストランの窓際が込み合います。頑張って外で毛布などにくるまって見物する人たちもいますが。毎回6時半から約30~40分のパレード。キャラクターのコスチューム、着ぐるみにも電光が施されライトアップされます。参加者は皆ボランティア。起業の人やコミュニティの人たちです。可愛い子供たちも参加しています。寒さをものともせず、コスチュームの下にしっかり防寒して、楽しげに観客に手を振りながらパレードします。
 オズの魔法使い、ピーターパンと海賊(ワニの着ぐるみが可愛い。)、シンデレラ、ヘンゼルとグレーテルに魔女、そして勿論サンタクロースとそり。これに、スポンサー企業の山車や、キャラクターなども混じり、地元らしくほのぼのとした雰囲気です。市バスもごてごて光り物で飾り立てパレードに参加。電飾一杯のオモチャの兵隊のマーチングバンドなどもあります。
 見守る子供たちの表情はいつも楽しそうです。私などは自宅への帰り道なのでほぼ毎回横目に観ているせいか、あまり感動も少なかったんですけども。
 寒さをしのぐための特別席「ホットシート」というのも設けられています。歩道にしつらえられた防寒テントの中に階段席が用意され、ココアとホットサイダーがついてくるのです。一人5ドル。週末は7ドル。
 また路上ではそれぞれのレストランが飲み物やスナックを売る屋台を出しています。大人はホットウィスキーやアイリッシュコーヒーなどのアルコールの入ったものも購入でき、目の前で焼いてくれるクレープなどもなかなかです。
 今年はちょっとじっくりと見物してみようかなと思い始めています。
 http://www.macysholidazzle.com/
投稿者 Husky15 1日 02:03 | コメント(3) | イベント
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ミシシッピ河畔の中都市ミネアポリス在住15年目です。春から秋の季節の美しさが好きで、冬の寒さを許すことにしています。アメリカというとマスコミやメディアが紹介するものだけのイメージが行き渡っていて、残念です。もっと身近でハートウォーミングなアメリカを知って欲しいといつも思っています。
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