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シアター

観てきました、ミュージカル版「大草原の小さな家」。 6月にチケットの発売開始後、一日の購買者数の記録を出したガスリー劇場の初のミュージカル化「大草原の小さな家」。日本ではDVDシリーズも続々発売されていて、またあのテレビ番組を見返すことも可能になりました。
 さて、先週とうとうそのミュージカル版「大草原の小さな家」を観てきました。満席!ステージは客席も館内も赤一色のMcGuire Prescenium Stage。建築デザインを担当したフランス人のジャン・ヌーベルはフランスのオペラ劇場の色が赤だったことから、この色にしたそうです。初めて一歩劇場内に入ると目が少しくらくらします。
 ステージはあの開拓時代の物語に相応しくとてもシンプルな舞台設定と演出。主演のローラ役のカーラ・リンジーと姉メアリー役のジャン・ギムバテスの歌唱力は最高で、視力を失ったメアリーとローラがお互いに助け合うことを誓う歌はじんと来ます。意外にというか、観客に最も受けていたのは意地悪で我がままなキャラクターのネリー。笑いや拍手は彼女に結構集まっていました。やはり少女時代から学校の先生になる頃までの数年を2時間半くらいでまとめると、非常にストーリー展開は早くて、もう少し感情移入できる時間が欲しかったという気もしました。
 ローラの夫となるアルマンゾ役のケビン・マッセイは少し線が細い感じ。
 それでも、昔テレビシリーズを観て、本も全部読んだ私は、お馴染みのストーリーを楽しみました。このミュージカル、予想以上の人気で当初の予定より10日以上も延長され、10月19日まで上演が決まっています。
www.guthrietheater.org
50周年を迎えたショーボート すっかりご無沙汰しています。暦の上では残暑となりました。こちらでは夏と言えば何といってもアウトドアで、アウトドアには、湖やミシシッピ河の景観を満喫するということも含まれています。ライブミュージックやアートフェアなどを含む様々なカルチャーイベントは大抵水際で行なわれるものです。
 セントポールとミネアポリスの双方の市に寄りそうミシシッピ河には、それぞれリバークルーズがあります。双方とも昔ながらの外輪船を模した船に乗船し、ゆったりしたクルーズを楽しむことができます。セントポールのミシシッピ河畔には、ショーボートももやってあります。ミシシッピ河にはこうしたショーボートが昔から各河畔の町で人気があったようです。
 このセントポールのショーボートはミネソタ州が100周年を迎えた1958年、ミネソタ大学の演劇科によって運営され始めました。そのために正式の名前は「ミネソタ・センテニアル・ショーボート」といいます。いかにも古き良きアメリカといった感じの舞台設定で、大掛かりなショーではないかわりに、何かほのぼのしたムードが漂っています。年間を通じて今もミネソタ大学の演劇科によるお芝居やレビューが上演されています。
 ショーボート自体はオリジナルのままではなく、2000年の火災で改装を待っていた船が消失したため、新たに建造されたものです。ただ、ショーの歴史は引き継がれ今もミシシッピ河の流れの上で行なわれているのです。
 お芝居を観るためにボートに乗り込みデッキに上がると河風が感じられます。ちょっと普通の観劇では感じられない興奮があります。
http://showboat.umn.edu/index.php
ローラが母になるミュージカル。 世界初、このミネアポリスでミュージカル化される「大草原の小さな家」。斎藤美奈子さんのL文学論(つまりは女性が書いた女性を元気にする文学?)では、「赤毛のアン」や「若草物語」は代表作とされているけれど、テレビでも大人気だったアメリカの開拓時代の一家と少女の成長を描いた「大草原の小さな家」は入ってません。不満!!作者でもあるローラ・インガルスの物語は家族愛や当時の生活文化が描かれているとはいえ、メインとなる登場人物は少女、女性が中心です。ローラを始め、成長後病から盲目となる姉のメアリー、意地悪で気取りやのネリー・オルソン、そして優しいけれど芯の強い、たくましい母、キャロライン。ミネソタに来るまで、この物語の舞台のことは単に「アメリカ」とだけ考えていたので、こちらに来て実際に彼らの所縁の地を訪ねてみると、その息づかいが感じられそうなほど。当時と変わらない景色があるからです。(昔のことは見ていないけど、町の様子や湖や森林、草原を見ているときっとこのまんまだったと思えてきますよ。ぜったい。)
 さて、ミネアポリスのガスリー・シアターで公演されるミュージカル版「大草原の小さな家」の配役が先頃発表されました。なんと、テレビシリーズで子役としてローラ役を演じ、最後には成長して結婚して子供も生まれるシリーズの中で当人も大人になっていった女優メリッサ・ギルバートが、今回ローラの「かあさん」、キャロライン・インガルスに決まりました。ローラが母!メリッサ・ギルバートは今やすっかり女優として、こちらではサスペンス・メロドラマの女王なのです。(日本でいうところの9時ぐらいからのサスペンス劇場みたいな感じの2時間ドラマ系です。)
 彼女の人生に大きく影響を与えた「大草原の小さな家」に新たにミュージカルというかたちでかかわることに、どんな気持なのか、ちょっと聞いてみたいですね。
とにかく上演が楽しみです。プレビューは7月26日から、本格的な初演は8月15日で、10月5日まで上演予定です。
www.guthrietheater.org
たまにはミュージカル。 ミネアポリス/セントポールがアメリカでも最もシアター文化の盛んなところの一つというのは確か以前にもご紹介したと思います。地元のパフォーマンス集団の多さもさることながら、ブロードウェイのショーの全米ツアーには必ず含まれていて、人気のショーを観ることが可能です。
 主にダウンタウン・ミネアポリスのヒストリック・シアターのいくつかと、そしてセントポールの市内中心にあるオーッドウェイ・パフォーミングアーツ・センターにそうした有名なショーがかかります。
 先日久しぶりにオーッドウェイ(とこちらでは呼びます)へブロードウェイでも人気のあるミュージカル「キャバレー」を観に行ってきました。華やかなミュージカルはいいですね。まず、劇場が雰囲気があるんです。セントポールの中心ライスパークという公園を囲むように歴史的な建物が建っています。美術館なども入ったお城のようなランドマーク・センター、全米歴史史跡にも指定されている四つ星ホテル「セントポール・ホテル」など。そして、オーッドウェイ・パフォーミングアーツ・センターがあります。ガラス張りの上品な建物に煌々と灯りがともり、いやが上にも観劇のムードを高めます。
 来シーズンのスケジュールが発表され、もっと頻繁に来ようと思っています。お楽しみは「ミュージカル版リーガリー・ブロンド(日本ではキューティ・ブロンドというタイトルで公開された映画の舞台化)」とクリスマスの「ホワイト・クリスマス」です。早速チケットを購入しなくては。ちなみにチケットの値段は本場ブロードウェイよりもお安くなっています。ま、日本の方々にすれば、ブロードウェイで観るから価値がある、とおっしゃるんでしょうけれども。
www.ordway.org    
モダンダンスの夕べ。 友人に誘われて、ミネアポリスのノースイーストにあるリッツシアターへ、モダンダンスを観に行きました。このリッツシアターは、アートアベニューと呼ばれる通りにあります。隣り近所はギャラリーやアーティスティックなジュエリーなどを扱うお店、そして地元で人気のレストランやバーが並んでいます。もともと打ち捨てられた昔の劇場を地元のグループで地道に改装し、主にダンスやパフォーマンスアートを上演するシアターして甦らせました。中はアーティストのお手製のガラス細工の電灯や、アンティークの椅子など、ところどころに手作り感が漂っています。シアターの座席も有名な市内の劇場が移築する際に放出されたシートを寄せ集めたり、とにかく予算がなくとも、何とか「おらが地区に良いパフォーミングシアターつくるだ!」の意気込みで運営されているのです。
 地元のダンサーだけでなく、ニューヨークやまた世界からバラエティある、時には実験的なダンスやパフォーマンスが披露されています。
 この夜のモダンダンスは地元の振り付け師率いるダンスグループのものでした。友人は「モダンダンスは踊らない」と言うので、躍動感あふれる普段観に行くダンスとは違うとは思っていましたが、やはりちょっと戸惑いましたね。普段観るだんすというのは、やはり鍛えられた肉体とダンス技術を堪能するのですが、モダンダンスというのは「動き」やどちらかといえば、パントマイムのような振り付けが多いこと、時には台詞等が入ったり、全く音楽がなかったり。以前日本の舞踏というのを観たんですが、それとも違う、欧米のモダンダンスというのは形容しがたいものがあります、時々。
 最初の作品で酔っぱらった悲観的な女性の様子を観た後、友人の顔を下目使いに見たら、「次の作品にチャンスをあげてよ」と言われ、仕方なく次のダンスを鑑賞。すると、きちんとダンサーらしい人たちが出演して、動きも面白くなりました。結局最後のダンスまで楽しみました。
 ミネアポリス/セントポールはサンフランシスコやニューヨーク、ワシントンDCなどのダンスシーンに劣らない高い水準を持つ街と、ダンス専門誌にも評価されているそうです。確かに365日、どこかでダンスパフォーマンスが行なわれています。民族色も華やかで、中国、韓国、インド、中近東、フラメンコなど様々な舞踏団が活動し定期的に公演を行なっています。実は穴場かもしれないと思います。

www.ritztheaterfoundation.org
「大草原の小さな家」がミュージカルになる!! ミシシッピ河畔にファンキーでインダストリアルな建築でたたずむガスリーシアター。最近そのガスリーが今夏あのテレビシリーズでお馴染みのインガルス一家の物語「大草原の小さな家」を初のミュージカル化することを発表しました。
 40代から60代くらいの女性の方々には今もファンの多い「大草原の小さな家」。そばかすにおさげの少女ローラとその一家の開拓時代の生活を描いた物語には、今アメリカや日本で最も求められる家族の絆や真摯でシンプルな生活といったものが詰まっています。
 ガスリーシアターでは、演出にディズニーのミュージカル「リトルマーメイド」などを手がけた演出家、作曲にアカデミー賞を受賞している作曲家を迎えて製作するとのこと。ワールドプレミアに向けて意欲たっぷりのようです。
 「大草原小さな家」のインガルス一家は、ミシシッピ河畔のウィスコンシン側にあるペピンという町に所縁の地がある他、テレビシリーズの中心となるのは一家が暮らしたミネソタ州のウォルナットグローブという町です。ここにはローラ・インガルス・ワイルダー博物館があり、町の教会など当時の面影が残っています。また、毎年7月8月の週末に「ローラ・インガルス・ワイルダー野外劇祭」が開催され、地元のボランティアの俳優による「大草原の小さな家」野外劇が上演されます。同時にパイオニア・フェスティバルという当時の文化を楽しむイベントなどもあり、多くの人が訪れます。テレビシリーズや原作本を読むと、ミネソタ州の周辺の町の名前が出てきて、以前より親近感がわくようになりました。マンケート、スリーピーアイなど、これらの町は現在「ローラ・インガルス・ワイルダー・ハイウェイ」と呼ばれるハイウェイ14でつながっています。ミネアポリスやセントポールもしばしば物語に登場します。
 ワールドプレミアのミュージカル公演を観て、また、一家の所縁の地を尋ね手開拓時代のアメリカを観る、そんな旅をお勧めしたいものです。
 ウォルナットグローブのローラが姉妹と遊んだプラム・クリークは今も静かに水をたたえ当時の様子が見えるようです。
シアターライフ6~たまには文芸物 ガスリー劇場にかかっているイアン・(ガンダルフ)マッケラン卿(爵位を持っておられます。)主演のロイヤル・シェイクスピア劇団特別公演の「リア王」は満員御礼なのに、今週の地元新聞の劇評ではかなり酷評を受けています。おまけにダウンタウンの人気ベジタリアン&オーガニック・レストランの「カフェ・ブレンダ」を訪れたマッケラン卿は、彼が誰か知らないスタッフに「今満席です!」とあっさり言われて食事ができなかったとか。彼のミネアポリスの印象が悪くなったかも知れません。
 ガスリー劇場は移築前から、円形に舞台を囲む観客席がインターアクティブな効果を生み出す優れた劇場としてトニー賞なども受賞している全米でも「老舗」の一つです。現在のミシシッピ河畔のモダン建築になって3ケ所の舞台を持つ複数上演の可能なシアターコンプレックスになりましたが、伝統の舞台は継続しています。舞台を取り囲んで上方へ広がるように客席が並ぶワートル・トラスト・シアターはどこに座っても舞台がきちんと見えるという劇場です。また、どこに着席しても非常に芝居が自分に近く感じられるようになっています。
 ガスリー劇場で上演される演劇はシェイクスピアをはじめ文芸物が多いので、英語に自信がないとちょっと「しんどい」のですが、久しぶりに子供の頃から本で親しんでいた「ジェーン・エア」を観に行きました。ストーリーをだいたい知っていると全部の台詞が完璧に分からなくても何とかなるものです。
 面白かったのは舞台設定。背景もほとんどない舞台に家具と役者だけが、シーンごとにせり上がったり引っ込んだりすることで、状況を変化させていきます。古典的な台詞劇を、斬新な舞台演出で観せる、これもガスリー劇場の特徴です。
 このトラスト・シアターで上演される毎年恒例のディケンズ作「クリスマス・キャロル」はホリデー・シーズンにかかせないイベントになっていますが、この観客が舞台にとても近いと感じる雰囲気が相乗効果になって、楽しいショーの一つです。
 新しくなったガスリー劇場のお楽しみ、それは11ケ所もあるというインターミッションにかかせない「バー」です。特にミシシッピ河に突き出るように設計された「エンドレス・ブリッジ」にあるバー・カウンターとラウンジエリアは、なかなかです。お勧めしたいのは観劇の始まる前にここを訪れ、カクテル片手にさざめく人々に混じってみることですね。別に観劇はしなくてもいいんです。その後、シアター内に人々が飲み込まれていった後、静まりかえったロビーのラウンジでゆっくり一杯。ぜひお試し下さい。
シアターライフ5~「ライオン・キング」が帰ってくる。 昨年ニューヨークへ旅行する時に久しぶりにミュージカル「ライオン・キング」が観たいなと思いチケットを手配しようとしましたが、なかなか難しい。相変わらず人気のようで、良い席を取ろうとしたら「フォーシーズンズ・ホテルに宿泊パッケージがあって、席もすごくいいそうですよ」と薦められました。でもチケットだけで400ドルと言われて、「あ~こりゃあかん」とすごすご後退。
 「ライオン・キング」、ディズニーの大ヒット・ミュージカルとしてロングランを続けていますが、10年前、動物アニメをミュージカル化するという大掛かりな舞台は、そのワールドプレミアをミネアポリスで行なったことは意外に知られていません。私は運良く市内のヒストリック・オーフォウム劇場での舞台裏を観る機会を得、コンピューターで操作される景観や背景、演出のパペット芝居で世界に知られるジュディ・テーモアの発案デザインによる、アクターとパペット操作の野生動物を合わせた素晴らしいコステュームでリハーサルが行なわれる様子などを見学しました。
 初日の日、幕が上がると同時にミネアポリスの観客はそのユニ-クで夢一杯の舞台に魅了されたのでした。当時の客席の興奮は今も忘れられません。ニューヨークでもなく、ロンドンでもなく、ミネアポリスで幕が上がった「ライオン・キング」。私にとっては特別に思い入れのあるミュージカルとなりました。
 その後もジュディ・アンドリュース主演の「ビクター・ビクトリア」などがミネアポリスをプレミア地の一つにしていますが、これはミネアポリスというのが丁度北米の中心に位置し、文化水準の高さ、パフォーマンスアートへの関心とサポートの高さ、保守的過ぎずファンキー過ぎない観客層などから、こうしたプレミアなどに利用されるということです。
 「ライオン・キング」がプレミアオープンから10周年を記念して、またミネアポリスで公演することになりました。もうすでに3度も観ているのですが、またもう一度観に行こうかと考えています。あれほどの感動は最早ないとは思いますが、
シアター文化の活発なミネアポリスを誇る気持で一杯になるはずです。
www.hennepintheatredistorict.org
シアター・ライフ4~15ドルでエンターテイメント このところ立て続けにシアターへ出かけています。秋口になると何やらアーティスティックなことがしたくなるということでしょうか。(気取る訳じゃありませんけど。)夏のフリンジ・フェスティバルで見逃していた「ジュール・ベルヌの『80日間世界一周旅行』を60分で巡る」という、いかにも愉しそうなタイトルの芝居が、アップタウンのボウリング場兼カフェ兼シアター(ファンキーな取り合わせです。)「ブライアントレーク・ボウル」のステージで再演されるというので、シアター好きの友人と観に行ってきました。生憎の大雨と雷の直後。普通は7、80人くらい押し込める席に10人くらいの観客で、同情してしまいました。チケットを購入しようとすると、「12ドル?15ドル?」を聞かれたので、席によって違いがあるのかと尋ねたら、「いや、どっちか払いたい方で。」ということ。こういう大雑把な感覚がアップタウンっぽいですね。
 このシアターは穴蔵のような雰囲気で、階段状の座席と、ステージ前の椅子を並べた席とがあります。どこに座っても、カフェの食事や飲み物を注文し、食べながら、呑みながらステージのショーを観ることができます。ワインやコーヒー、本格的にサラダや食事をしている人たちもいます。
 私がミネアポリスに住み始めた頃(ものすごく昔)は、ここはハードコアなボウリング場と玉突き場(あえてそう呼びたい)だったのです。太い腕に入墨をして苦々しい表情をしたおっさんがバーカウンターとボウリングシューズの貸し出しをやっていたことを思い出します。今ステージのある空間は玉突き台がある部屋で、近所のちんぴらっていう感じの人たちが玉突きをする横で、パトロール中の警官が映画でよく観るように、無言で腕組みをして壁に寄りかかっているなんてことも見受けられたのです。
 今やそんな雰囲気はどこにもありません。ファンキーでアーティスティックな芝居やパフォーマンスを観せるステージ、ワインやラテを片手にボウリングなんていう若者に人気のカジュアルな遊び場として定着しています。
 で、お芝居。お馴染みのイギリス紳士が賭けをしてお供の使用人とともに80日間で世界を巡る冒険物語を、男性4人女性1人の俳優が60分間で演じるというショー。ステージ横には大きなデジタル式の時刻計が、60分から刻々と時間を経過させる中で、メインキャラクター以外は次々とすべての登場人物を5人が演じ分け、ストーリーを進行させていきます。3つの茶色いボックスだけが舞台装置。それが船になったり汽車になったり、象になったりとイマジネーションの中で変化していきます。パントマイム的な表現で情景を描き、小道具はターバン、ジャケット、帽子といったちょっとした衣装だけ。俳優たちは皆黒の上下を着て、そうした小物で人物に変化をつけていきます。めまぐるしくストーリーは進み、そんな中から笑いが沸き起こり、何と、きちんと60分過ぎるまでに芝居は完結しました。
 少ない観客だったのにステージの熱気と元気さがシアターに充満し、私たちも思いっきり彼らのイマジネーションにひたることができました。有名俳優でもなく、お金をかけた舞台でもなく、ただ、彼らの演技と想像力、そして優れた演出が楽しい小一時間のエンターテイメントを生み出したのです。
 そして、これが15ドル。おまけに抽選で友人は原作本をもらうというおまけ付き。私も「久しぶりにジュール・ベルヌを読んでみるかなぁ」と思いつつ、ほくほくとシアターを後にしました。カフェは遅めの食事を取る人、ちょっと一杯やっている人、ボウリング場のピンが倒れる音をバックに、とても賑わっていました。
 www.bryantlakebowl.com
シアターライフ3~チルドレン・シアターといえども侮れない。 ミネアポリスにはアメリカの演劇界で権威ある賞、トニー賞を受賞しているシアターが3つあります。リージョナルシアターとしては高い評価を得、ミシシッピ河畔に新しく劇場を移築したガスリー・シアター、ウェアハウス地区にユニークなシアターを持ち、個性的な演出でモリエールなどの作品、オペラなど様々な作品を上演するシアター・デ・ラ・ジュン・ルーン。そして、アメリカでも数少ない児童専門の劇団チルドレンズ・シアター。
 チルドレンズ・シアター・カンパニーはミネアポリス美術館に隣接し、2006年には建築家マイケル・グレーブスのデザインによる拡張も終えて、活発に今年もシーズン上演中です。4、5才から楽しめる題材、ティーンエージャー向けの本格的なもの、誰もが楽しめるミュージカルなどバラエティにあふれる舞台を見せてくれます。出演する子供たちも立派な俳優で、カンパニーで訓練を受けた本格的な役者さんたちなのです。勿論子供だけが出演するのではなく、大人だけによる舞台もあるのですが。
 カンパニーの持ちネタ「シンデレラ」は数年に一度、いつもクリスマスに上演される人気作ですが、華やかな舞台、ユーモアにあふれる演出や、客席内を歩き回る扮装した人たちがホリデームードを盛り上げ、家族全員が楽しめるようになっています。ショーが終わるとロビーにシンデレラと王子様が子供たちを歓迎し、ケーキが配られたりするという演出もあります。女性客にも人気のショーです。
 英語が苦手という向きも、こうした子供向けの舞台だと楽しめると思います。難しい台詞や込み入ったストーリーが少ないものを選べば、十分本格的なシアターが楽しめるのです。
 このシアターでは、ガラスで仕切った「むずかる赤ちゃんとお母さん」用の席というのも用意してあります。いかにもチルドレンズ・シアターらしい気配りです。また、企業の寄付によって、それぞれの作品上演中必ず一日は、「払えるだけ払って下さい」の日というのが設けられています。つまり、1ドルでも良い訳です。出来るだけ多くの子供たち、家族にシアター体験をして欲しいという企画の一つなのです。
 家族連れ、学生さん、女性同士など多くの方にぜひお薦めしたいシアターです。
www.childrenstheatres.org 
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ミシシッピ河畔の中都市ミネアポリス在住15年目です。春から秋の季節の美しさが好きで、冬の寒さを許すことにしています。アメリカというとマスコミやメディアが紹介するものだけのイメージが行き渡っていて、残念です。もっと身近でハートウォーミングなアメリカを知って欲しいといつも思っています。
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